香港金融管理局(HKMA)と中国人民銀行(PBoC)は、e-CNYのパイロットプログラムを拡大しています。これにより、香港市民はe-CNYウォレットを設定し、ファスター・ペイメント・システム(FPS)を通じてウォレットに資金を追加できます。初めて、中央銀行デジタル通貨システムと高速決済システムが連携し、新たな利用ケースを提供します。
PBoCは今年初めに発表した「三つの連結、三つの促進」イニシアチブの一環として、e-CNYパイロットを拡大しました。香港市民は香港の携帯番号のみでe-CNY個人ウォレットを設定できます。これにより、香港市民はいつでもどこでもe-CNYウォレットに資金を追加できます。
ウォレットは、クロスバウンダリペイメントに使用でき、香港の17の小売銀行を通じてトップアップ可能です。香港住民は、銀行口座を開設せずに中国本土の商店での支払いができます。また、e-CNYは広東省・香港・マカオ大湾区(GBA)だけでなく、他の本土のパイロット地域でも利用できます。
今後の展望と機能拡充
HKMAは、e-CNYウォレットの機能を拡充し、e-CNYの受け入れを促進するためにPBoCと協力します。これには、実名認証によるウォレットのアップグレードと、決済の相互運用性の向上が含まれます。また、企業向けのユースケースも検討し、クロスバウンダリ貿易決済を促進します。
今回のe-CNYパイロットプログラムの拡大により、香港市民はさらに便利な方法でデジタル通貨を利用できるようになります。ファスター・ペイメント・システム(FPS)との連携により、24時間365日リアルタイムでウォレットのトップアップが可能となり、日常の支払いが一層簡便になります。今後、HKMAとPBoCは協力してe-CNYウォレットの機能をさらに充実させ、香港と中国本土の商店での利用を促進し、クロスバウンダリ貿易決済を支援します。e-CNYウォレットの導入と拡大は、デジタル通貨の普及とクロスバウンダリペイメントの新たな一歩となります。