フィンテック企業MetaQuotesは、2024年10月11日(金)にMT5の新しいビルド(4620)をリリースします。今回のアップデートでは、OpenBLASの新メソッドが導入され、プログラムの安定性が向上しました。また、手動でのティック履歴取得に関する問題も解消されています。特に、OpenBLASの15種類の新しいメソッドがMQL5ドキュメントに追加されており、今後さらに多くのメソッドが追加される予定です。
OpenBLASは、基本線形代数サブルーチン(BLAS)と一部のLAPACK関数を実装する高性能なオープンソースの線形代数ライブラリです。このライブラリは、特に機械学習や数値計算、シミュレーションなどの科学技術計算において、行列およびベクトル演算の計算性能を向上させるために設計されています。MT5の最新ビルドでは、このOpenBLASの新しいメソッドが活用されています。
さらに、OpenBLASはマルチスレッドに対応しており、複数のプロセッサコアを効率的に使用することで、計算速度を大幅に向上させます。また、IntelやAMD、ARMなど様々なプロセッサアーキテクチャに最適化されたビルドを含み、プロセッサ特性を自動検出して最も適した関数実装を選択します。これにより、MT5のパフォーマンスがさらに向上しました。
最後に、OpenBLASはLAPACK関数の互換性も備えており、線形方程式の解法や行列の固有値計算など、より複雑な線形代数の操作をサポートしています。MT5の最新ビルドは、OpenBLASの新メソッドを取り入れることで、計算の効率性とプラットフォーム全体の安定性を高めることに成功しました。