香港とブラジルがトークン化で協力
香港金融管理局(HKMA)はブラジル中央銀行(BCB)と連携し、クロスボーダーのトークン化実験を進めることを発表しました。プロジェクト・アンサンブルとDrexパイロットプログラムの下で行われるこの実験は、CBDCインフラを利用し、取引金融やカーボンクレジットなどの分野でPvP(支払い対支払い)とDvP(受け渡し対支払い)の決済ユースケースを探求する予定です。このトークン化実験は、将来のグローバルな金融市場を形成する基盤となるでしょう。
プロジェクト・アンサンブルとDrexプラットフォーム
HKMAのアンサンブル・サンドボックスは2024年8月に立ち上げられ、固定資産や投資信託、流動性管理、グリーンファイナンス、貿易金融などでトークン化の実験を行っています。一方、BCBのDrexプログラムは、ブラジルのCBDC「Drex」を基盤とし、トークン化された金融市場の発展を支援するために設計されました。現在、70以上の企業が参加しており、多様な金融市場参加者が協力しています。この協力により、トークン化実験の範囲がさらに拡大することが期待されます。
共同プロジェクトの意義
今回のHKMAとBCBの連携は、2018年に締結された金融サービス分野での協力合意に基づいています。HKMAのエディ・ユエ最高責任者は、「数年前に始まった協力の種が今、実を結び始めています。プロジェクト・アンサンブルは、トークン化市場の発展を目指す取り組みです」と述べました。また、BCBのロベルト・カンポス・ネト総裁も、「HKMAとの協力は、グローバル金融市場の統合に向けた大きな一歩です」とコメントしています。このような国際協力により、より一層強固で統合された金融市場が構築されることでしょう。